先日書きました、英国の「風力発電所vs鳥」の研究に加えまして、「風力発電所vs海の動物」の研究…
2008には、 オランダのIMARES (Institute for Marine Resources & Ecosystem Studies)研究所のハーン・リンデボーム(Han Lindeboom)先生は洋上風発電所の近くの動物を心配していました。
2006年にはオランダ大陸から10-18km位離れたところにEgmond aan Zee というウィンドファームが建てられ、2007年に36基のタービンが電力を提供し始めました。
先生はもちろん再生可能エネルギーはとても良いと思ってはいましたけれども、海の生態系を研究している学者としては、洋上ウィンドファームが建てられる時に、その近くの動物はどうなるかと気になりました。
人間は痛覚の閾値が100dBで、耳の鼓膜が破れるのは150dBだそうです。ジェット機が25mの距離で着陸する騒音って。風力発電所の土台を作る際には、200dBもの騒音が発生して、イルカやネズミイルカの個体群が減るなんじゃないかと心配していました。(水中は
ご存知の通り、音は空気よりも水の中で広がります。
海の中で物を建つ時は(橋脚でも、石油プラットフォームでも、風力発電所でも)、超音波ピンガーが使われています。(使われるはず?)イルカだけではなく、海底生息動植物はどうなる?深海動物と植物は200dBにさらされると、破壊されるでしょうけど、風力発電所が一度建てばどうなるでしょう?それからまわりの魚は?鳥は?
研究チームは Egmond aan Zeeの洋上ウィンドファームを研究対象にし、その近辺の海底生息動植物、魚、鳥、海洋哺乳類の生息を二年にわたって、調査・解析しました。
「風力発電所の近くの動物(海底生息動植物、魚、鳥、海洋哺乳類)を観察しまして、いくつかの鳥類とは別として、風力発電所は悪影響がありませんでした。」と先生が語ります。
魚はなかなか観察し難かったようですが、魚にセンサーをつけて、観察したところ、風力発電所は魚に良い影響を与えている事がわかりました。例えば、タラはウィンドファームは好んで宿ります。オランダの海岸前にはたくさんの船が行き来しているため、魚が逆に風力発電所に逃げていたでしょう。
アザラシ、アシカ、セイウチは立地中に逃げてはいましたけど、一度風力発電所が建てられては、戻ってきました。海水中に録音機を設置して、ネズミイルカの声もウィンドーファームの敷地外よりは敷地内に聞こえた事は別の研究グループの結果で分かりました。
カツオドリ等いくつかの鳥類は風力発電所はウィンドファームを避ける鳥はいますが、それは主に目で獲物を狙っている鳥です。ウインドファームの近く、船が通る道では餌がないため、避けるのは当然です。かもめをはじめ、全くかまわない鳥は大半数を占め、鵜は前より増えました。
それから、海底に棲んでいる貝、イソギンチャク、カニも風力発電所に住み着いて、生物多様性が依然より豊かになっています。
海岸沿いは船で騒がしいため、魚と海洋哺乳類は好んで静かな風力発電所の近くに過ごす事が解りました。
他の調査と比較してあわせますと、ウィンドファームの影響する具合はその立地場所、それから水深によって異な りますが、リンデボーム先生の結論としてましては風力発電所は冬、つまり繁殖時期・育成時期ではない季節にやると、動物に影響がさほどありません。風力発電所を避ける鳥も多少はいましたので、風力発電所の立地場所は慎重に選ばないといけないと推薦しています。
その研究を見て、「人間が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった、18世紀後半以降には、魚の乱獲、海でのガス・石油や砂の抽出、環境汚染、船による運搬等は海の生態系・エコシステムには大きな悪影響を与えました。
自然と呼べるものはもうないです。北海は麦畑やトウモロコシ畑と同じぐらい自然である。底引き網漁があって、北海は年に何回か鋤き返されますよ。」とコメントしていたドイツ人研究者もいました。
確かに、船は全く来ないと解っていて、風力発電所の周りは逆に生態系を基に取り戻すチャンスです。その話を聞くと、風力発電所は多くの動物にしては海のオアシスになるのではないかと・・・