クララの八百八町: 808 Towns

クリスマスイブに革命を起こしませんか。

石油機器以降の石油依存はあまりかわっていません。今は技術上に再生可能エネルギーへの転換は可能であっても、政治的・経済的な抵抗がとても大きいです。少し前まではドイツもそうでした。

再生可能エネルギー発電を実現するために、今みたいに独裁、失礼独占電力会社ではなく、地産地消型エネルギー発電系統が必要です。
ここで大きな問題は、そのエネルギー供給（風、水、太陽）は無料であって、機材のメンテナンス費だけかかります。中心型・費用負担型発電系統の電力会社は当然ながら反対します。ドイツの原子力発電所は一日当たりに千万ユーロの収入を得ているそうです。つまり一基あたり年間で3億6500万ユーロです。それを三月まで稼動されていた合計１７基で計算すると、年間収支総額は4兆3430億円です。
原子力が撤廃され、電力発電は分散型にかわると、電力会社の大きな収入源がなくなります。年間4兆3430億は半端じゃありません。
エネルギー供給の民主化・独立化されると、電力会社は全てを失っていますので、電力会社は当然人類に、「再生可能エネルギーへの転換は無理ですよ。」と吹込もうとしています。

はやく、地産地消型エネルギー発電の信者であったのはドイツ社会民主党の故ヘルマン・シェア先生です。
ユーロソーラの会長、世界再生可能エネルギー協議会の同創立者等々、数多くの賞の受賞者、それから、Energieautonomieという本の著者である。（日本語訳はまだないようです？）
その本はドイツで多くの人を魅了しました。
フェヒナーさんという方はその本に強い刺激を受け、どうしてもドキュメンタリーにしたいという思いで、シェア先生にアプローチしました。5年後に、この映画、「第四の革命」は渋谷の映画館で上映されています。

映画が出来るまでは、多くの方の協力は必要でした。あんな野望に燃えているプロジェクトですから、フェヒナー監督は資金調達に困って、クラウドファンディングに頼りました。最初はホームページで募金を呼びかけました。一人では無理な資金（ファンド）を大勢の人（クラウド）が提供します、
150社・団体・個人のスポンサー：　太陽光発電システム製造会社をはじめに、私立中高一貫学校、出版社の社長等が協力して、合計125万ユーロ（1億2600万円）も投資しました。
1000ユーロ払った人は、全員サポータとしてエンディングタイトルに記載され、出来上がった映画のDVDを50枚ももらいました。その中に、太陽光発電所製造会社もいれば、ドイツ緑の党やドイツ連邦環境自然保護連盟もそのサポーターもなりました。

とても不思議なことに、スポンサーの中には日本企業もいます。
京セラと、シャープの、せっかくの日本企業スポンサーがあったのに、リリースは今になりました。
きっと、3.11はなかったとしたら、この映画はこんな立派な映画館で上映することはなかったでしょう。今では日本でもスポンサーとして、日本のスポンサーとして、そんなに出ていないのはなぜですか？

とにかく、シェア先生によると、地球のエネルギーは全て再生可能エネルギーで賄える。技術は既に存在しているので、もはやユートピアではありません。世界のエネルギー問題はフクシマ以前でも深刻な問題でした。
シェア先生は再生可能エネルギーを熱心に語っています。それから、技術者、政治家、ビジネスマンだけではなく、普通に再送可能エネルギーと接する市民も出ます。

デンマークの半島の５万人が完全に再生可能エネルギーでエネルギーを賄っていることを解説するデンマーク人のプレベン・メゴー氏。
風力発電所を一基を立てたく、親に勘当されそうになったドイツ人社長、マティアス・ヴィレンバッハー氏。
50年代に建てられたドイツの団地をパシブハウスに改築する団地の住居人。
ロシアで留学し、デンマークで研修を受けて、母国のマリの田舎に太陽光発電システムを提供する若いマリ人学者イブラヒム・トゴラ氏。
オーストリアで博士号を取得してから、サンテックパワー社を起こしたカリスマ社長の中国人施正荣氏。
バングラデッシュの田舎の屋根に太陽光発電システムを設置させ、主婦にその修理の研修を受けさせるマイクロクレジットの創始者、ノーベル賞受賞者ムハマド・ユヌス氏。
バングラデッシュの学校で太陽光発電システムの原理を教える物理学の先生。
電気自動車のスポーツカーを製造するアメリカ在住南アフリカ人兼カナダ人起業家のイーロン・マスク氏。
蓄電技術の研究されるオーストラリア人のマリア・スカイラス=カザコス先生
環境保護活動家のビアンカ･ジャガー氏。

フェヒナー監督はとても簡単にプロパガンダ映画は作れたでしょう、とても簡単にアジプロ作品になり得たでしょう。けど、そうはなっていません。もちろん紹介されている方は全員、再生可能エネルギーの味方ではありません。パリの国際エネルギー機関のビロル長官が執拗に中心型・大手電力会社に依存ずるエネルギー供給の必要性を語っています。しかし、映画のメッセージははっきりとしています。エネルギー供給は分散されないといけません。化石燃料や原子力にもう頼れません。

ドイツの脱原発をドイツ国民として大変誇りを思っていますが、諸外国のアプローチを見ると、ドイツ人の私でさ え「ドイツはまだまだぜんぜん」と思うところはたくさんあります。
みて、「私も何かやらなきゃ！」という思いで映画を出ます。
なぜ、マリの村の集会所に太陽光発電システムを設置することが出来、日本の公民館でやらない？
なぜ、バングラデッシュの主婦や高校生に太陽光発電所の修理の研修を受けさせることが出来、日本ではやらない？
なぜ、ドイツの築60年の団地をパシブハウスに立て替えることが出来、日本でやらない？
しかし、この映画は、ただただ地球温暖化や原子力の怖さを訴えるのではなく、ポジティブに原子力･火力発電所のの代案を提唱します。

マリ、バングラデッシュ、ドイツで出来るなら、おそらく日本でも出来ます。やってみないといけません。
映画で紹介されている方の活躍を見ると、再生可能エネルギーを悲観論的に見ることは出来なくなります。

一つ、私たちにもできる事はとても簡単です。地方でも出来ます！この映画の自主上映会を開催しましょう。映画配給会社はとても素晴らしく、自主上映者募集していますよ。新年に地方に新しい希望はいかが？

それから、年末に東京にいらっしゃる方、又はクリスマスモーニングのデートがない方、この映画でいかが？
クリスマスイブはきっと将来の話題でもらいあがります！
お正月で久しぶりに家族全員が食卓に集まるときにも是非話してもらいたいので、年末で家族全員で見てはいかがですか。

 

 

 

クララが好きな映画紹介： ｢ロックアウト｣

明後日はアンナちゃんの最後のエントリー、その後、クロアチア人女性と三ノ輪商店街and池袋散歩のことを書きますよ。また散歩に戻りますよ、ヤクソク！乞うご期待！

その前には、もう一本、映画のことを書かないといけません。それは、散歩と関係はないのだけれども、本当に気に入って、出来るだけ多くの人に観てほしいからです。

『ロックアウト』がはじまって、洋服の青山、セブンイレブン、マツキヨ、ジョナサンと同じような建物と看板が絶えなく連なる国道沿いらしい風景が車の窓からみえる。車はどこへ走っているのかの手掛かりはないのかとついに目が探してしまうけれども、通り過ぎる建物に何の手掛かりもない。どこにでもありそうな洋服の青山、セブンイレブン、マツキヨ、ジョナサン・・・だけです。
国道沿いの風景を背景に、運転手をののしっている、男性（園部貴一）の声が聞こえる。タバコを相次いで吸いながら、彼は当てもなく田舎の（国道らしい？）道を走らせている。ようやく、カメラが運転手に移ると、長い髪の毛の若い男が見える。ラジオから、地方に起こった殺人事件、児童の誘拐事件のニュースが流されると、男ははやく局を換える。

彼は休憩をするため、食堂に入ります。注文した料理が届きますと、丁寧に「お水もらえますか。」と食堂のお兄さん聞く。水がそっけなくテーブルにおかれると、若い男がティム・バートン監督に出るジョ二・デップの顔をしている、デイビット・リンチ監督の映画にも出てきそうなスーツ姿男に化ける。ゴーゴーと音が聞こえながら、スーツ男が食堂のお兄さんを頭突きして、ぶちのめす。

しかし、次のシーンでは、若い男がまだテーブルに座っている。スーツは着ていない。何もなかった。

男が車に戻って、そこに赤い何かか付いているカナテコがみえる。そこで、わたしは心の中には「ひぁ～、やはりあぶないやつ！」と叫んだ。主人公の積もり重なった怒りはこれからきっと誰かにぶちまけるという不安と疑念の種は高橋康進監督が器用に蒔きます。そして、その種を徐々に芽生えさせる。

それから、６歳のケイタ君（島田岳）とそのお母さん（緒方美穂）が地方のスーパーで喧嘩をするシーンがみえる。どうしてもカードがほしいケイタが「駄目」と出されて、すねる一方で、次の瞬間にそのカードをこっそりとカートに入れる。さらにママの言葉がきつくなる。
二人が駐車場に着くと、ママは忘れ物に気付き、ケイタ君を車において、スーパーに戻る。ケイタ君にはもちろん、「知らない人が来たら、話さない。寝たふりをする。」と注意する。しかし、ケイタ君がやはり車を出て、外で遊んでいる。戻るママに気付き、少年はすらりと車に入り込む。
しかし、その車はママの車ではなく、たまたま同じモデルである車だ。持ち主も現れ：　若い男の車だ。
二人の遭遇をみて、今までの情報を頭の中で反芻させます。映画のチラシに載っていたのは確かに、この男の子と、若い男だったよね？車に座っていたよね？この二人ですよね？先ほど、ラジオで流された児童誘拐？児童虐待？まさか児童殺人？と、色々考えてしまう。結論は：｢うわぁ、とにかく、こわい！｣

蒔かれた不安の種が花になって、満開！

身を乗り出して、「で？次はどうなる？」とはらはらしながらみる息詰るようなシーンが多く、｢ロックアウト｣は観客を強く、深く話しに引き込まれる映画です。（しかし、是非とも皆様にこの映画を観てほしいので、（もう少し広く上映されるといいですね）それ以上は話に触れないよ！）

観客を強くひきつけるサスペンスはただ、主人公の若い男、ケイタ君とそのお母さんの演技の一本の糸でピンと張られている。

この映画を観て、一つの些細なことがきっかけで人生がこんなに簡単に逆転する可能性について考えさせられた。衝動的な行為で、自分の人生はどうやって変わるかと。私も結構衝撃的に行動したり、怒ったりします。といっても、今まで生きてきて、後悔することは少ない。例えば、一回逆切れするだけで（または、一回、忘れ物をしたり、一回場所を間違ったりすることだけで）、人間関係だけではなく、自分の人生はどれだけ大きく変り得るということを考えると、怖いですね。タイトルの「ロックアウト」とは、「車等に鍵を置いたまま締め出される 」 ということなんだけれども、「締め出される」ことは、ほんの一瞬にとった行為によって、今までの自分の人生から締め出されるでも言えるでしょう。

ついつい、「あの時、自分がもしこうしなかったら・・・」と色々考えてしまいます。

ちなにみ、私が見る映画を選ぶ基準は下記の通りでございます：

※　好きな監督の作品
※　好きな俳優・女優が出る作品
※　カンヌ、サンダンスやベルリンでの受賞作品
※　映画の趣味が近い友達のすすめ
※　ドイツ・オーストリア映画である（ドイツ語なら、無差別なんでもみます。）
である。もちろん、チラシと予告編も見ますけれども、決め手にはならないし、テレビで見るランキングも全く気にしていません。多く、映画を観るときは、その粗筋も知りません。そういうやり方でも、｢ああ、この1500円は出さなければよかった｣と思うことはめったにない。
もちろん、この「ロックアウト」についても何も知りませんでした。この映画も友達に誘われて、行っただけです。すばらしい映画でとてもうれしかったです。

監督の高橋康進さんも、主人公の園部貴一さんは「好きな監督」、「好きな俳優」の候補者にあがった。リストに加えられることはさほど簡単ではないけれども、はやく、次の映画がみたいんですね。

うふふ、こういう文章を書いて、皆様が想像する話は実際の話とかなりずれていると思うと笑ってしまう。
だからこそ、観に行ってください。
約束？

シネマートでの上映はまた3月19日までやっていますから！

クララの八百八町: 「なつかしきニッポン VI - 締めに日本映画！」

ツアー客のアンナちゃんの紹介へ

最後はアンナちゃんを連れて、映画を見に行った。

私、クララも、アンナちゃんも映画は毎週一本ぐらい見る程大好きです。（ＤＶＤではなくて、映画館でですよ。そうそう、高いよ、こんな趣味！(*ﾟｰﾟ)>　だいだい５枚の前売り券を持って歩いているんですよ。）

ですので、この一日の締めに、映画を見ることにしました！昔もよく二人で映画をみて、映画の話をして盛り上がっていたから、アンナちゃんにしても、私と映画をみるｔことは懐かしいだろう♪

今日見る映画は邦画の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』です。（もちろん邦画！せっかく日本に来たんだから！）

何回も映画館で『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の予告編をみて、豪華キャスト（つまり、好きな俳優が出る）の映画であるため、みようと思っていた。（銀杏BOYZの峯田和伸も｢アイデン & ティティ｣をみてから、気になっていたんだよね。素敵なジャフロを生やしたていたんだね。今度はモヒカン！）

しかし、日本語があまり分からないアンナちゃんにはどうなのかなとは心配で、邦画に詳しい友達のナミさんに相談しました。

「日本語がそんなに解らなくても、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は大丈夫と思うよ。」と言われて、決定！

そして、ナミさんも一緒に行きたいといって、三人分の前売り券を買っておきました。
アンナちゃんはすぐに前売り券のお金を払いたがるけれども、「それは映画を気に入ってたら払って！」とはねつけます。
「この映画を観ること、私が決めたでしょう。アンナちゃんを無理矢理つれていくでしょう？
だから、今は払わなくて良い。気に入ってくれたら、払って下さい！
この映画は苦手だったら、1300円払ったってかわいそうだから。」とわたしは固く断る。
アンナちゃんはじろりと怒ったような顔の振りして、金を財布に戻すと、その遣り取りをみているNさんが笑います。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』を簡単にまとめますと、下記のような話になります：

「妄想に耽っているばかり、29歳の田西敏行が職場の女の子に片思い。会社の飲み会を契機に、二人はメールを書き始める。二人の間の距離が徐々に縮まる。しかし、田西君があるどうしようもない過ちを犯して、話はとてつもない方向へ」

こういう要約を読む貴方はその映画を観る気にならないかもしれないんですよね。そうですよね？
しかし、クララ個人的な「見るまでに死ぬべき映画」のリストの映画のほとんどは、「話を聞いて、見る気にはならない」粗筋なんですよ。

本当、この、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は観るべきですよ！
主人公は営業担当でありながら、特に努力もしなく、やる気がない。毎日だらだらして、どうにかその日の仕事を終わらせて、過ごしています。誕生日はなんとテレ蔵で…

そして、当然ですけれども、その恋愛振りも下手ですね。

女性でこの映画が苦手の方は多いようですが、私はとてもよかったです。その日の機嫌は特に良かったという理由もあるかもしれないけれども、映画館で一番笑ったかもしれない。(*^.^*)エヘッ

この映画のすごいところは、主人公との感情移入の・・・複雑度です。（あくまでも下記は女性であるクララが書いたものだと覚えて下さい。）
映画のシーンによって、感情の入れ方が異なってくる。あるシーンでは主人公の田西のことを非常にかわいそうに思ったり、また別のシーンで母性本音が始動し、守りたい想いがかなり強かったり、また次のシーンは情けなく思 い、頭を抱えたりします。（実際に、「もう！こんなのはやめてよ！情けない！」と頭を抱えていましたよ。友達のNさんに聞いてください！）そういう感情ハラハラのジェットコスターに付き合うと、田西君の肩をつかんで揺すぶり、　「しっかりしろよ！」と叫びたい気持ちになった。

もちろん、私と主人公は全く状況が違うけれども、（第一、私は女性である）　映画を見て、もちろん、主人公の舘美になってみたり、考えたりするんでしょう？そして、・・・もし自分の恋は映画化やテレビドラマ化されたら、視聴者はどんな気持ちでみるのだろう？引き込まれて夢中になってみるのだろう？あくびをこらえながら、他のチャンネルに切り替えるのだろう？それとも、同じように、「クララ！しっかりしろよ！」と叫びたい人はいるかな？

特に、日本語が出来るかどうかは別として、イライラする人もいるでしょう。（私の大好きな「500日のサマー」という映画が耐え難いと言って観ない事にした友達だっているし、「モテキ」を読んでイライラした女子の話も聞いています。この映画は男の方に受けるとは確かだけれども、私たちは、女子三人でも充分に楽しめました。

私は、釘付けになって、終わるまでは一回も時計を見なかった。ずっとジェットコスターに乗ったまま！

最後は「もっと田西君幸せになってほしかったなぁ～」と思っていたけれども、原作の10巻の5巻目辺りに映画が終わるから、続編「Boys STILL on the Run」は出来るといい！

是非とも、まだ上映されているうちに、観に行って下さい！都内ならヒューマントラストシネマ渋谷へ！

追伸：

映画が終わって、アンナちゃんは肝要なところを観ずに眠ってしまったことが判明！やはり、言葉が分からなくて、字幕がなく、旅の疲れもあって、眠ってしまうんですかね・・・
けど、「眠らずに見たところはよかったから、払わせて」と頑固に払いたがるアンナちゃんに、私が負けて、お金をもらいます。気に入ってくれて嬉しかった。

追伸２：

映画学の博士課程のアンナちゃんだけに、日本映画もとても詳しい。映画を半分寝ながら観ても、「あのさあ、ソープ嬢役の女優は「誰も知らない」にも出たよね？」とYOUの顔は分かっていた。

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