今年は、日本語学習歴12年目になりましたが、当然解らない事がまだ多い。
当たり前(のはず?)ですけど、日本の文学は普通に読めます。(村上春樹の文体は時速250キロドイツのアウトバーンでも走っているようにスラスラと読める一方で、石川淳の文体はお盆の首都高のように滞ってしか読めないという差はありますけどね)
読解力と読速をあげるため、洋書を一冊読むにあたって、かならずしも和書を一冊読むようにしています。しかし、日々に会う(遭う?!)言葉で戸惑うことも多いです。毎日通勤電車で見る中吊りには、知らない単語ばかりで、愛用しているCasio Ex-Word XD-GP7150で調べても、それらの単語は広辞苑に載っていません: 「撮り下ろ し」、「でき婚」とか載っていないんですよね。見たばかりの言葉を高級料理亭でデートして、「ねえ、太郎、「解禁フル○ード&衝撃の半生」のはん・・・なま・・・ってなんですか。」と聴けないんですよね?
そこで、その日本語学習の苦労と楽しみを伝える一冊「日本人の知らない日本語」に会いました。蛇蔵(構成・漫画)&海野凪子(原案)
コミックエッセーの「日本人の知らない日本語」の主人公は海野凪子先生である。海野先生は日本語学校で日本語を教えて、異文化と前面衝突の毎日を送っています。
私ももちろん、日本語を教わってもらったのですけれども、それは大学で「日本学」を専攻して、つまり、日本語、日本史、日本社会、日本思想史、日本文学史と色々勉強しました。一方、日本国内の日本語学校で頑張っている方は、日本の大学に入学したい、日本で就労したいといった様々な目的で入学している。一年と言う短期間で日本語 という言葉をマスターして、日本留学試験を受けます。
ドイツ語を母国する私にとっては、まだ、英語、フランス語は簡単でしたけど、母国語から離れている言葉(つまり、日本語)を覚えるのは簡単ではない。最初は「四ツ谷」が四つの谷が並んでいる渓谷だと思って、「へえ、新宿の近く、東京のど真ん中にこんなのがあるの?」とふしぎに思っていました。
今でも悩んでいるのは、擬態語・擬音語です。「大男が大音をたてて、鼻糞を鼻に吸い込み戻す音はなんというの?」、「小さい女の子がヒールの ある靴を履かせられ、下手そうに歩いている音は?」といった疑問はどんな辞書でも解決しない!
海野先生の生徒も皆様々のな疑問を抱いて、海野先生がそれを解決していきます。
言語を覚えている人なら、どんな言語も誰も疑問を抱きますが、海野先生が生徒さんのその疑問を解決していきます:
※ 「冷える」と「冷める」の違いは?
※ カレーを入れる容器はなんというんですか。
※ 物の数え方・・・ 男一匹と言うよね? (蛇も一本で数えるというネタもありますけど、まさに、12年前の私もそうでした)
海野先生の日本語の説明を読んで、かなり勉強になったということは事実ですが、さらに、日本語という領域に最初の一歩を踏み出した自分を懐かしく思い出せたことが嬉しかったです。実際に日本語学習者の友達何人(アメリカ人、ロシア人、チェコ人、オーストリア人、スロバキア人等々)にこの本を買って送った(渡した)のだけれども、皆が声をそろえて、「そうそう!私もそういう疑問を抱いていた!」とコメントしました。
この本は1Q84に負けず、何十万部以上も売れたのは当たり前だと思います。読んで笑えるでしょう?
まずは、クラスにはある生徒の性格と趣味でしょう。時代劇が大好きなスウェーデン人のお嬢さん、ヤクザ映画がお好きなフランス人マダム、片思いの中国人紳士、お金持ちのアラブ人王子、オタクのフランス人青年がいます。
さらに、日本語が母国語の読者は「そういえば、こんな、考えたことがない!」や「だから、そういう使い方をするんだね。もっと勉強しなきゃ」と楽しく勉強できます。
本当に売れて当然です。二巻もそんなに売れてほしい!
昭和46年の「日本人の国際感覚」というNHKの調査にはまだ、「外国に行ったことがなく外国人としゃべったことがない」のは、74.2%でしたが、1998年でもまだ「外国人とつきあいなし」はまだ人口の半分を上回ったそうです。けど、在日外国人が増えているのは確かです。
残念ながら、全員が日本語が話せるようにを勉強していると限らないですが、「日本人の知らない日本語」を読むと、母国語である日本語を勉強する上で、少しでも違った価値観・概念ができます。
是非、皆さんも本屋さんでこの「国内海外旅行」を購入して下さい!
追伸:「日本人の知らない日本語2」を読みたい方はクリック!とコミックエッセイ劇場へ指を運びください。
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