インタビュー「3・11後のグローバルな人間関系、第壱弾」
以前に、このブログは「外国人観光客を東京案内するアドバイスブログ」でしたけれども、観光客は放射能を恐れて、なかなか東京、いや日本に来ないため、「在日歴の長い外国人とのインタビュー」というシリーズを書き始めました。様々な方と話して、その会話をテープ起こしして、ここで紹介します。それぞれは、国によって、視点が違って、きっと面白いと思いました。面白いかどうかは、結局、あなた、読者が決めるんですけどね。
最初ののインタビュー相手は、在日ドイツ人のサンドラ・ヘフェリンさんです。(プロフィールはこちらまで)
クララ:
サンドラはダブルか、ハーフか、もしくは「和独人」であるから・・・
サンドラ:
和独人!辞書みたいだね(笑)
クララ:
(笑)そうだね。まあ、お父さんがドイツ人、お母さんが日本人で、サンドラは日本の事もドイツの事もよく分かっている。それから、色々な国の友達もいるので、震災後に色々な国の反応の事は見てきたと思う。そこで、3・11直後、その人間関係について、思ったことを教えてほしいんだけれど・・・
サンドラ:
今回は日本とドイツ、日本と欧米の文化の差がはっきりと表に出てしまったと思っている。もともと平和な時にも当然、文化の差はあるけれども、その時には、それは見なくても済む、ハッピーな状態だから、あまり見えていなかったところもある。
でも、地震が起きて、原発がちょっと危ないというのが報道された時、私の周りにいるドイツ人、ハーフの人、ドイツ人に限らず、在日外国人は、自分の国の大使館が「日本を出て下さい。」、もしくは、「関西、南へ行ってください。」って案内していたから、東京から外国人が一気にいなくなった。結構そのことによって、個人レベルで、日本人と外国人の間に「わだかまり」のようなものが残っちゃった。
例えば、仕事の面でもそう。日本の会社は当然、今回みたいな危機的な状況の中でも、組織を思って、会社員はどんな時でも会社を休まないで出勤することを一番重要視していること。そこで、日本の会社で働いている外国人が、どんな理由でも、「ああ、ちょっと原発が怖いんで、帰ります。」というのは、日本の会社から見ると、すごく無責任な行為。
でも、その外国人からすると、命あっての仕事。もしかしたら、次の何日間で、原発がすごく大変なことになるかもしれない。次の何日かでイコール命の危険があるかもしれない。それは自分の妄想だけではなく、自分の国の大使館もそう言っている。大使館も、次の何日間、どうなるか分からないから、「できるだけ関東を離れて下さい」と言っている。つまり、自分だけが「危険!危険!」と言って、出国したではなく、大使館もそう言っていた。それは多くの日本人が誤解している点で、「ああ、外国人は皆出国して、そうやってパニックを煽っている」と思っていた日本人もいた。そういう書き方が雑誌でもあったし、インターネット上にもあった。
外国人の上司に「日本を出よう!」と言われてた日本人会社員もいた。また、外資系で、アメリカやドイツにある本社が原発の影響を恐れて、「東京の支社は関西へ行ってください。シンガポールへ行ってください。韓国へ行ってください。」と指示を出した会社もある。
しかし、そのように実際に関東から離れた外国人や外資系に勤める日本人に対して、日本人の取引先の人が「外資系や外国人はこういう時、逃げ足が早いんですね。」と言った。
私は、そういった話を何件か聞いて、ちょっと微妙だと思っていた。「逃げ足が早い」というのは、決してポジティブな言い方ではない。私には非常に嫌味に聞こえる。「何で、貴方たちは逃げたんですか。」と直接言ってはいなくても、、「嫌味」にも相当棘があった。
ビジネスの面でも、日本と欧米の文化の違いが今回の原発の事故でハッキリ表に出てしまった。今後どうなっちゃうんだろう。
インタビュー「3・11後のグローバルな人間関系、第弐弾」は明後日ですよ。
長い会話のテープ起こしは大変ですから、お待ちください。
「外資系や外国人はこういう時、逃げ足が早いんですね。」
この言葉を読んで、同じ日本人として、あぁこういう反応しちゃうよね、と
感じ、容易に想像も着いたが、違和感を感じました。
私もあの3.11の日から最初の一週間、普通に会社に行きつつも、
また大きな地震がくるのではないか、原発がもっと深刻な状況になるのではないかと
不安、危機感を抱えながら仕事をしていました。
自分の身の安全、命の安全があってこそ仕事もできる。
そう思いながら、こんな状況下で何があるかわからないけど、
来れるなら出社して、という会社にあの日以降、
疑念が湧いて拭えない日々が続いています。
日本人という括りをしてしまうのは、適切ではないかもかもしれませんが、
あの日以降、危機的な状況下で今まで通りの仕事を
求める日本人の感覚は、私も含め、異常だとしか思えません。
投稿情報: dotimaging | 2011/05/02 15:38
この間ヒストリーチャンネルのグローバルビジョンを見ました
セネガル人フランス人ドイツ人ミャンマー人が出ていて色々興味深かったよ
ドイツ人高校生は日本のマンガが好きで日本にホームステイで来て日本語喋れるし日本のマンガを読んでいたよ、、、 ドイツの高校生が日本語喋るだな驚いたよ
投稿情報: ファイト | 2011/05/02 22:36
ちなみに司会の名前はくららさんでした(いい女でした)
投稿情報: ファイト | 2011/05/02 22:40
うち外資ですが、3月に就任したての英国人のHR部長、311に早々にHR部長としての任務をこなし、緊急対策本部を組んで帰国せずに働いてたよ。アジア系一般社員のほうが帰国したりしてたね。
投稿情報: Rika | 2011/05/09 21:28