「【名詞】は【形容詞・形容動詞】です。】と言った日本語を覚えた時に、「このりんごはあかいです。」、「あのねこはころいです。」の他に、「この水はおいしいです。」という文章も読みました。
「ええ?先生、水なんて、味はないんですよ。おいしい、おいしくないというのはないでしょう。」
と全員が聞きました。
日本では各地に地酒のように、各地に地ミネラルウォーターが有名です。ApollinarisはBad Neuenahrで、日本でも買えるGerolsteinerはGerolsteinという町の水です。(もちろん、地ビールもあります。言うまでもなく、日本も各地に有名な水があります。)
ドイツ国民一人あたりは年間で165.3リトルものミネラルウォータ(つまり瓶で売っている水)を飲んでいるけれども、「この水が特においしい。」、「この水はそんなにおいしくない」という概念は言葉にして、全くありません。この間、ドイツ人の友達とランチしながら、とても面白い話を聞きました。それは、ドイツ人があまりにも節水していて、水道局が困っていることです。ここにある数字はほとんど友達が話してくれたことの裏付けを探した者です。最新の値ではないかもしれませんが、とにかく面白いから、紹介しようと思って・・・
まず、ドイツ統計庁によると、ドイツ人の水の使用は1990年と2007の間、15%も減少した。ベルリンのBundesverband der Energie- und Wasserwirtschaft (BDEW) (エネルギー及び水経済連邦協会)によると、バルセロナの市民は一日、一人あたりに400lも使うのに対し、ドイツ人は2008年で123lだけを使ったそうです。(気候も随分違いますけど・・・)EU諸国の平均は一人あたりに200lである。一日当たり90リトルだけ使用する地域もあります。
このドイツの節水で一番困っているのは水道局です。
※ 何キロメートルも長い水管や下水管には水が流れなくなり、水の流れも遅すぎるから、多くの水道局は劣化した水管と水道管で困っています。
※ 水がないため、浮力がある物質でも沈殿して、下水管がつまる。
※ 沈殿物のせいで悪臭がひどく、水道局は仕方なく、大量の水を流さないといけない。そのコストはもちろん、消費者が持つ。
※ 硫化水素酸塩、有害ガス、硫酸が出来、特に硫酸は浄化施設の腐食の原因となる。
※ 硫化水素が生じ、水道局の局員が危険にさらされる
一方、ドイツ環境保護自然保護連邦協会(BUND)は節水が正しいと思っている:
「ドイツは水不足がないけど、水道の改造にはお金もないため、水を大事に使うこと(schonender Umgang)は適切である。地球温暖化も考えれば、無思慮な水の使用(bedenkenloser Wasserverbrauch)はあり得ない」
節水という概念はドイツ消費者の頭の中にあまりにも定着しているから、当然トイレ、シャワー、蛇口等々を扱うメー
カーもそれに合わせ、開発を進んでいます。(節水は節約につながるという事ももちろん、一つの原因です。平均では、独シャワー、浴槽、トイレ、蛇口等のメーカー産業協会VDSによると、入浴あたり120リトルの水、シャワーあたりは40-60リトルの水。料理には、一日当たりたった5リトルが使用されている。
ちなみに、独逸語では水は使用するではなく、消費(Verbrauch)するものです。言葉は不思議ですね・・・
比較できるため、日本のデータも探しました。日本人は一日に使用している水はデータが様々で、375lの水、320l、242lどっちなのか、どれがどうやって計算され手が明確されなく、どれが正しいのか分かりません。
追伸: それにしても、東洋経済の「住みよさランキング」に、「公共下水道普及率」なんてカテゴリーがあったところで、とても驚きました。住んだことがある、イギリス、ドイツ、そして実家からすぐそこのオランダ等では90-95%としか知らなくて、日本は70%だと驚きました。実際調べてみると、フランスで弱80%、イタリアで75%ですね。勉強になりました。
いつも新しい視点で、日常生活の不思議に気づかせてくれてありがとうございます。ドイツの「水消費」と、日本の「水使用」という表現の違いは、日本人が持つ「水と安全はタダ」というカラダに染みついた概念にあると考えています。日本の場合、蛇口から出る水はタダで、「水道施設を使用するから仕方なくその料金として水道事業者に支払っている」という感覚なのです。
しかし、この概念も1995年1月17日の阪神淡路大震災から、少しではありますが変わってきているように思います。ペットボトル入りの水を"買う"様になったのも、このころからだと記憶しています。今回の震災と原発事故も、恐らく日本人の長年培ってきた大切な何かを変えてしまうと思っています。
クララさんにひとつお題を差し上げたい。私だけではなく、ハンブルグやミューヘンに暮らしている日本人の多くが感じているドイツの不思議について。「ドイツ料理の多様性のなさはどこからきているのか」どーか教えてくださいませ。
投稿情報: Asariya38 | 2011/05/03 15:50
ドイツ人は倹約してEUの赤字の国を助けているな
投稿情報: ファイト | 2011/05/03 19:27
ドイツ在住ですが、やはり水は日本にいた頃よりもずっと節約しています。
だって高いんだもの。
高い=使わない=老朽化=結局利用者への負担、と悪循環に陥るくらいなら少し安くしてもっとお風呂に入れるようにしてくれたらいいと思います。
バスタブが物置化しているお宅もありますが、バスソルトなどの入浴関連グッズの充実振りから見る限り、バスタブでリラックスしたい人は多いのではないでしょうか。
投稿情報: マリアンヌ | 2011/05/05 01:40