さてさて、ブログは半月ほど書いていませんでした。ご無沙汰しております。
ドイツから、オーストリアから三遊亭兼好の独逸公演について書くと約束していましたので、それは全くなく、反省しています。現地の担当者に観光案内され、公演から打ち上げへ、夜はビールを飲みすぎて、ベッドに倒れて、翌日また同じパターン。もちろん、その間は通訳もトラブルシューティングで大忙しい!
遡って書くのは当然、印象は現地の報告と違います。申し訳ございません。
少しずつ発表させて頂きます。
まずはウィーン大学の公演。
なんと、昔解剖室だった古い部屋を提供して頂きました。解剖室ですから、あの噺しかありません!
私が最初で聞いた兼好師匠の落語、死神!それから、ひろ木さんは「動物園」を披露して、三味線を弾いて、女子大学生に浴衣を着させて、とても楽しい会でした。
ちなみに、ウィーン大聖堂にはウルゼンベック博士という方が葬られている。死神と全く同じような伝説で馴染みの或る噺だったのではないか?と思います。
お客様の2割が日本語のネイティブ、また2割が上級、4割が初級で、2割は日本語の事は全くわかりません。
そのこともあって、「ウィーン大学は字幕がいらないなんじゃない?」と思ったぐらい非常に日本語聴解力が高くて、落語のこともよおおく知っていました。
アンケートでの「落語は見たことはありますか。」という質問に対して、24%は「日本にいたとき」、「一、二度はある。」と答えました。
「あら?そんなに?四人に一人?」と思っていたら、先生が四年生の授業で好二郎時代の兼好師匠の「締め込み」を見せました。なるほど。正確な結果が出るのに、「Q:落語は見たことはありますか」、「A:ナマ、テレビ、DVD、ポッドキャストでみたことはあります。」と聞くべきでした。
公演は大うけ。「いかがでしたか。」と様々な形容詞から選べられる複数選択の質問に対して、91%は「楽しかった」、65%は「面白かった。」、16%は「啓発的」と答えます。なかなかな付いていけなかった方はたった3%でしたよ。
現地取材はされませんでしたが、それもよかったかもしれません。大学関係者を中心に宣伝して、満員御礼(いや、立見)になって、CD&DVDも10枚ほど売れた!
(ああ、違う。events.atでの全オーストリアのイベントのトップページで紹介されました!20%、日本語が話せない方はおそらくこのサイト経由で来たのかな?)
お開きになっても、皆がアンケートに協力して頂き、100人以上の回答で一番お気に入りのコメントを紹介します。括弧のないものはそもままの日本語コメント、【】の中は私が訳してみたコメントです。
- とても楽しかったです。どうもありがとうございます。林家さんは上手ですね。
- 【落語ファンになりました】
- またオーストリアに来てください
- 【卓越した演技。人をひきつける大変なカリスマを持っていらっしますね。】
- WOW!
- いっぱい笑いました。所作の美しさを感じました。有難う御座いました。
- 【抜きん出た演技/表情】
- 【とても素敵だったよ。もっともっと聴きたかった!】
- 【わざわざウィーンへお越しいただき、ありがとうございました。素敵な一時でした。】
- 【素晴らしくて、楽しくて面白くて、驚かせる一時でした。これからはもっと落語を聴く/観るようにします。】
- はじめての落語でしたが、とても楽しく拝見させて頂きました。はじめの説明はウィーンだからだったのでしょうだったとしたら、私はとてもラッキーだと思います。これからも、日本でも是非落語、観に行きたいと思います。兼好さんのファンになりました。
- 【私もストーリーテリングをしています。兼好師匠の公演はとても楽しくて、生き生きとして、抜きん出た演技でした。長い就業の成果だと分かります。】
- 【ありがとう。とても楽しかった。また兼好師匠の公演が見たいです。】
- 【落語はビデオで見たことはあったけど、生はまたまったく違う。はるかにより強い感銘を与える経験でした】
- 【一人芝居はこんなに面白いと思わなかった。】
- 【非常に楽しめて、大いに笑えました。同時に啓発的でした。素晴らしい演技(表情)】
- 【とても変化に富んだ、楽しい公演でした。わざわざオーストリアに来て頂き、非常に面白い芸を披露して頂きまして、誠にありがとうございました。】
- 【素敵な公演はありがとうございました。お話も最初の解説もとても感銘深く、楽しかったです。】
- 【心から感謝いたします。噺を披露される際は喜びで輝いていらっしゃって、心を和ませる一時でした。】
- 【近いうちにまた兼好師匠の公演が見られることを願っております。ありがとうございました。】
- 【名人芸。名人。】
- 今年、一年日本にいるから、またらくごを見るのを楽しみにしている。ありがとうございました。
- また来てください。とても楽しかったです。
と、かなりの好評!こんな好評だったら、また来年行こうかな?
ウィーン大学の皆さん、ありがとうございました。
アンケートの翻訳、ありがとうございました。「いっぱい笑いました」この回答と、写真に映る観客の皆さんの横顔が大変嬉しく思えました。落語は、大衆芸能から日本を代表する芸術への昇華を成し遂げたのではないでしょうか。
投稿情報: asariya38 | 2011/07/19 21:48