ドイツは脱原発を決めたからといって、全て、楽観視してはいけません。
先日、北ドイツ旧ブリュンブッテル原発の中間貯蔵施設で錆びてぼろぼろになった低・中濃度の放射能廃棄物(フィルタレジン、蒸発器濃縮物、他)の200リットル薄鉄板の容器が発見されました。担当局によると、許容度をこえる放射能が出ていなく、「従業員及び近隣の住民には危険がない」と州の法務大臣が主張しました。実際錆びてぼろぼろになった容器の数は今確認されているところだそうです。容器一台はすでに空っぽになっていましたが、錆びでぼろぼろになって、外面も壊れてしまいましたため、もちろん放射能が出た可能性はなくもないです。
12月15日発見された容器は今になって報告されたことは「これはこちらで期待しているコミュニケーション文化ではありません。」(“Das entspricht nicht der Kommunikationskultur, die wir uns vorstellen.”)と州の法務大臣が経営電力会社のバッテンフォール社を厳しく批判しました。
ほぼ一ヵ月後の1月10日には、現状が白日のもとにさらされました。しかもそれは原発の経営者バッテンフォール社が自ら報告したのではなく、技術検査協会のTUVNORDによる監査で分かりました。
最終貯蔵施設では30年前に詰まれた容器の中身が鋳鉄容器への入れ替えていいました。その過程は普段2-3時間かかりますけれども、一つの容器では八時間もかかりました。八時間はどうもおかしいと鑑査で指摘され、監査員が確認したところ、容器が発見されました。事情は監督機関に翌日の1月11日に状況を報告しました。
監督機関からの問い合わせに対して、バッテンフォール社が当事件について答え、12日に監督機関の立ち入り調査が行われました。監督機関の再三にわたる要求に応じ、バッテンファール社はようやく2月20日(!)に、総括的な事件解析報告書(Ganzheitliche Ereignisanalyse)を提出しました。
専門家による資料検討が24日に終わり、事情は2月29日に州の担当大臣に報告されました。と、バッテンフォール社の報告があんなに時間がかかりました。(その容器の写真はちなみに省庁によって公表しました。)
事件は当然ですが、全党に渡って厳しく批判されました。
バッテンファル社は下記の対策を設けるように命令されました:
※ 地下施設はコンクリートで覆って、作業を一時的に完了させる
※ 地下施設及び排水で漏れ得る放射能を測定するために、エアロゾル測定所の設定
※ 管理局の担当の立会いのもとに地下施設の構成及び現状の評価を行う
※ 腐食された容器の扱いの(設置機器を含む)案を提出
※ 乾燥されたフィルタレジンの詰め替え作業は新規対策の導入まで中止される
ヴァッテンファル社は原子力法で報告の義務ではないと主張していますが、行政側は「事件の重大さを考えると、報告は絶対に必要(zwingend erforderlich)でしょう」と反論しています。今回の容器は放射能が出なかったものの、別の場所で出た可能性があると考えられます。
2007年にもクリュッメル原発で変圧器の火事、ブリュンスブッテル原発であわせ釘を大量に取り替えないといけなかった件・・・もあって、バッテン ファル社は情報公開度をあげるように約束し、申告義務の事件は担当局に申告するだけではなく、ホームページにも公開するように約束していましたけど、ホー ムページに見当たらないんですね。(間違っているところでみているのかな?)
最終貯蔵施設がないまま、30年も経ちました。原子力施設に関する規則は改造される予定ですが、中間貯蔵に関しましてはより正確且つ厳格な規則を書き上げないといけません。
・・・30年前にあのゴミは同じ施設で、あんな形で貯蔵される事は誰も思わなかったでしょうね。しかし、30年もゴミを安全に貯蔵することの出来ない産業は何万年も残るゴミを作り出している事実を見ると、原子力は安全といえることはないでしょう。
ドイツは脱原発を決めたからといって、こんな事件は見落とされることはありません。脱原発が決まったからといって、社会は原発での出来事をどうでもよく思っていることもありません。
まだまだ問題も課題はたくさんあるみたいですね。
ドラム缶の中身は、原子力発電所から出た言わば「ウンチ」。どこの国でも公評は憚るのかな(^_^;)
アメリカを始め、どこの国も原子力のウンチの後片付けの仕組みを作っていませんよね。結局貧乏な国に押し付けるような気がしてなりません。♪犬のお巡りさん、困ってしまってワンワンワン!
投稿情報: asariya38 | 2012/03/18 10:29
どこの国でも「臭いものに蓋」ですね…(T_T)
責任者は
「それ」が目の前から見えなくなっただけで
既に問題がなくなったかのように振る舞うものです。
日本も昔は核廃棄物を
フランスに預かってもらっていた時代があります。
あれ、今どうなってるのかなあ…。
投稿情報: Petit_cygnet | 2012/03/18 12:13
ドラム缶は見たところ鉄で出来ているようですね。と言う事は相当に古い物ですか?そして中身は掃除した時の作業着とか、ぞうきんとか、低レベル放射性廃棄物、のようです、日本はイギリスとフランスに再処理をお願いしている、核燃料が沢山あります、それは高レベル廃棄物で日本にも再処理工場を建設してますが、まだ完成していません、ガラス固化体のところが上手く行かなくて。
今日本がリアクターを止めても、再処理の物は膨大になります、ヨーロッパではフランスが原子力発電ですね、他の国にも配電してますね。
(アレバ)ガラス固化体は40年経つと40℃まで冷えます、その後10万年間地下深く埋めます、はじめは100万年と言われてましたが、10万年後人類は居ないと思うけど、10万年前 祖先は猿だった!
投稿情報: kiri | 2012/04/03 22:08