日本では昔から目の見えない男性はいわゆる按摩さんとして活躍していました。女性は瞽女、按摩さん、(東北では)イタコだとか色々ありました。中世ヨーロッパでは盲人の仕事はブラシ製造職人、かご細工師、縄作り職人でした。現代では全くなくなっている仕事ではないのですが、需要はもう余りありませんね。それから点字が出来、速記タイピストの仕事、電話とともに、電話交換手という仕事も出来、今でもコールセンターで働いている方は多いでしょう。それから、今はマッサージ師、ピアノ調律師当という仕事もあります。
生まれつきで目が見えない方には、目の見える人にないすぐれた触覚があると言われています。少し前、ドイツでは目の見えない、または視力に障害のある女性が対象の9ヶ月の研修制度が出来ました。その研修を完了した女性は「医療接触検診士」(Medizinische Tastuntersucherin)の資格を取得します。
さて、医療接触検診士はどんなことをしているかというと、とても大切なこと: 乳癌の接触検診!
ドイツでは年間72000人の女性も乳癌と診断され、17000人は乳がんで亡くなられます。(日本では2010年に乳がんで亡くなられた女性は12,455人でした。)
乳がんの基本検診は接触検診です。月に一回の乳がんの自己検診もすすめられていますが、なかなか難しいですね。それから、50歳以下の女性なら、ドイツでの超音波、MRI等の検診は保険が払っていません。(日本では保険によって違うようですけれども、40歳から定期的なマンモグラフィーがすすめられていますね。)
デュイスブルク市の婦人科のホフマン先生が前から仕事しながら徹底的な接触検診の時間がないことは気に入りませんでした。そこで、失明した看護婦のマリールイゼ・フォルさんは仕事が出来なくなり、失業したことを知って、その資格の第一人者が生まれました。51歳で失明した時は彼女がとてもつらかった。杖で歩ける、点字が読めるようになるまではかなりの時間がかかりました。資格を取得することで、希望を与えてくれたとフォルさんが言っています。
研修コースでは9カ月に渡って、色々勉強します。
※ 乳房の構成、機能、その両性・悪性病
※ 検診法の習得•実用
※ 医療の基礎知識の習得
※ 医療分野での作文法、その専門用語
※ 患者とのコミュニケーション
※ 婦人科病院での研修
※ 面接・就職の研修
この補修過程コースの200時間はコミュニケーションにかけています。現時点では検診が30ユーロがかかって、保険にほとんども売らされていませんが、もちろん受ける方は不安でありますので、慎重に丁寧に話さないといけません。そのために、コミュニケーションは大事な一部となっています。
ホフマン先生はDiscovering Handsを作って、医師会ラインランドに「医療接触検診士」の研修を作ると働きかけました。現時点では、ニュルンベルク、ハレとマインツの4箇所研修受験が可能であり、資格を取得している方はドイツ全国で現時点17名だけいます。ルマニア、アイルランドとフランスにもそういった研修制度を導入する動きがあります。
接触検診だけを受けて、他の検診を受けることはありません。もちろん医師による検診の代理にはなっていません。超音波検診とともに、より徹底的な検診が出来ます。この仕事は割と新しいけれども、接触検診
ドイツでは目の見えない人の3分の一だけが仕事をしています。目の不自由な女性にも職が出来ました。
こんにちは。
この制度は、是非日本でも取り入れて欲しいですね。
所でヨーロッパといえば北欧の
「ゆりかごから墓場まで」
と言われる高度生活保障が有名ですが、ドイツの医療保険はどうなっているのですか?
投稿情報: しなちくにゃんこ | 2012/03/21 17:25