母国のドイツを出たのはもう、13年前の事です。留学していた時は個人的に「日本人の電気消費量はすごい。こんな要らない。包装紙の無駄は多すぎ」以外はさほどの差は感じなかった気がします。しかし、この13年海外に住んで、年に一回の頻度でしか帰省しません。(多い時は二回、少ない時は全く帰省しません)
もちろん母国の動きには関心を持っています。13年前にあまり差は感じていませんでしたが、ドイツのここ13年の変化は甚だしいです。90年代に中世の風車以外に、風力発電所を見た覚えはありませんが、今は何百基の風力発電所がドイツ新幹線沿線にシュシュと優雅に回っています。再生可能エネルギー、脱原発やら何に対しても母国は非情に誇りに思えます。
日本に住んでも、その10年での日本の政策をアウトサイダー立場として観察する事が出来ました。納税者であっても、政治参政権がない者にしかない、特別な立場です♪ そういう意味では、飯田哲也先生の「エネルギー進化論: 「第4の革命」が日本を変える」は大変期待をしていました。もちろん、飯田先生はその期待は裏切りませんでした。
もちろんヨーロッパも日本の動きは新聞、ネットでみてきましたので、知ってはいましたけれども、この本のように、欧州と日本の動きが対照され、日本の政策(?)に唖然することしかありません。
例えば、経済産業省、環境省と経団連がヨーロッパで行ってきた調査に対して、東京都環境局はそれらの研究者に一人一人に裏づけを取ってきたところで、多くの方は「そんなことは言っていませんよ。」と答え、調査の結果で分かりました。(!恣意的歪曲なの?)
「エネルギー進化論」は、「原子力は反対だ!」のような単純すぎる事は書いていません。飯田先生は技術面、政治面、経済面を中学生にも分かるように、とても分かりやすく説明して、学ぶところが大変に多い本です。従来の媒体での情報、原子力擁護派の扇動的な情報に疑問を持っている方は是非読んで欲しいです♪
よく、「ドイツはうらやましいなぁ。日本はだめ。いつまでも脱原発しない。もう、どうしよう。」と言われています。こ の本では日本の地域社会ですでに実現している例を挙げられています。それらの例を読むと、「やれば出来るんじゃない」と大変前向きな気持ちにさせられます。
再生可能エネルギーは分散型、つまり地消地産の電力生産ですので、地域レベルでやらないといけません。デンマークもドイツの再生可能エネルギーは「黒い森の電力会社に逆らう謀反人」のように、自治体単位の市民団体の活躍で生まれました。日本でも出来ます。いや、すでにやっています。
私は毎月の11日にどこかの団体に1万円を寄付をしています。被災地にこの分散型を再生可能エネルギーを提供する「東日本大震災「つながり・ぬくもりプロジェクト」にも寄付した事があります。
「脱原発、脱原発!」だけと言わず、自分の出来るところ、是非地方の分散型発電を促進する目的、このプロジェクトには是非寄付してください。後、飯田先生の本も是非!
いつも楽しく拝読しています。
すべての更新にコメントを付したいのですが、
考えをまとめているうちに次の投稿が掲載されてしまいます。
更新頻度の速さに驚くばかりです。
先日の「再エネ家族」にコメントしたときに、
エネルギー問題に関するドイツと日本の取り組みを世界中が見守っている、
という主旨のことを述べましたが、
この表現は、自分としては、筆をおさえた書き方をしたつもりです。
書いているときに念頭にあった表現は、実は、
「世界中は、ドイツと日本を一種の『実験室』と見ているのではないか?」
ということなのです。
周囲から冷徹な目で見られている側の国民として、
私としては、
この、21世紀のエネルギー革命を、
何としても成功させねばならない、と思っています。
この「成功」の意味については、
ドイツではどうなのかは知りませんが、
日本においては、まだまだ国民的合意は出来ていない状況です。
私自身の心の中をのぞきこんでも、
さまざまな情報、さまざまな考え方の間で揺れている始末です。
いずれにしても、
向こう何年かの間に、大きな方向性が決まってくるのは必定でしょう。
国民の一人として、
真剣に注目し続け、必要であれば、一人の国民として声を挙げたいと
覚悟を決めております。
投稿情報: jupiter142984 | 2012/03/16 18:09