2011年7月12日に、メルケル首相はラムザウアー建設大臣とともに、ベルリンにて、「エッフィツィエンツハウス・プルス」(エネルギー効率性住宅プラス)を紹介しました。
エネルギー効率性及び電気自動車を促進するドイツ連邦交通建設都市開発省のモデルハウスです。130平米メートルの住居スペースのある建物自体は1万6千kWhの電力をつくります。そのうちは10000しか使われないと見込まれているため、余分な電力は電力網に入ります。それを住居人の電気自動車はアウディ社、BMW社、ダイムラー社、オーペル社とヴォルクスワーゲン社、一台三ヶ月ずつ、に提供されています。
建物自体はドイツ連邦交通建設都市開発省のコンクールで優勝したコンセプトです。シュットガルト大学(Instituts für Leichtbau Entwerfen und Konstruieren)のゾーベック先生の元に実現されています。低エネルギー住宅、バシブハウス、アクティブハウスと今までエネルギー効率性を重視にするプロジェクトはたくさんありましたが、最先端技術が一緒に導入されているのははじめてです。
※ 屋上と外壁には太陽光発電システムが設置され、地熱発電設備もあります。
※ 外壁、屋根、フローリングには随時気温、湿度が測定されています。その目的は断熱材の湿度の科学研究です。
※ 天気予報を考慮し、その日その日のエネルギー量は推測され、蓄電池に伝達されます。その目的は太陽光発電が作成された電力の効率的な消費です。
※ 蓄電池と電力網の関係も研究の対象となっています。
※ 電気自動車の電池の老朽、残存容量、家庭での使用等も研究されています。
そのモデルハウスには、2012年3月〜2013年5月まで四人のテストファミリーが住むことになります。ドイツの首都、ベルリンのど真ん中に。家族はママ、パパ、幼稚園児又は小中高にかよう子供がいる家族が募集されていました。
※ 親一人以上は職についている。
※ その職場はベルリン州内又は近郊にある
※ 少なくとも、親一人は運転免許を持っている
※ エネルギー関連テーマに興味を持つ
※ 提供されている自動車を定期的に使う
※ 住居中に電力消費量、水道消費量、気温、湿度の測定に協力する
※ 研究調査に協力する (日記を付けて、定期的に科学調査の対象となる)
※ モデルハウスの住居人として取材を受ける (新聞、テレビ、イベント、モデルハウスの見学も)
結果としてまして、父親のヴェルケさんは42歳の歴史学者、環境研究所に勤めて、母親のヴィーッハースさんも42 歳で美術史学者で、現代美術のギャラリーに勤めています。子供は11歳と8歳で、趣味はチェロとギターです。
そのかわりに、住居する家族は
※ その一年の間に家賃がありません。
※ 住居する前に、建物内外の技術は説明されます
※ 光熱費のうち水道費だけ払っています。
※ 電気自動車の使用は無料
※ モデルハウスは家具付で住みます
※ 一年の間に自分の家具等は倉庫に預かる費用はドイツ連邦交通建設都市開発省が持つ
※ 電話基本料金も交通建設都市開発省が持つ
※ スマホは提供されるが、料金は住居人が自ら払う
※ 問題があれば、常時に担当者に連絡ができます
その間には、人間と技術、技術の受容、建物のインテリジェントな機能の使い方等々で、家族が社会科学者の研究対象となります。
開会式典にはメルケル首相も参加されました。
「この建物は今日ですでに可能であることを見せてくれます。エネルギー効率性の高い建設を革新的な自動車と組み合わせています。わが国のエネルギーコンセプトを一日も早く実現するために、エネルギー効率性及び電気自動車は重要な柱です。どちらも大きく期待されています。先端の技術はこのように検証されていることは嬉しく思っております。」
首相ぐらい参加するということはエネルギー効率性住宅はどれぐらい大切にされていることがわかります。
エッフィツィエンツハウス・プルスはベルリンのど真ん中にあります。
Fasanenstraße 87, 10623 Berlin
もう人は住んでいますので、見学は出来ませんけれども、遠い日本からは家族の(ドイツ語)ブログが読めます。独逸語堪能な方は是非。ドイツ語は15年前に大学で勉強して、「イッヒ・リーベ・ディッヒ」としかおぼえていらっしゃらない方は・・・google翻訳でご一読頂ければ幸です。)
ツイッター@ImEffizienzhausでも連絡が出来ます♪
「日本人の知らない日本語3」に続いて、
二度目のコメントを致します。
21世紀の全地球的テーマは、エネルギー問題です。
いや、この言い方は正確ではありません。
19世紀も20世紀も、
激動の世界史の背景にはエネルギー問題があったわけですから、
「21世紀も」というべきでした。
そして・・・
日本の原発事故とその対応、
ドイツの原発全廃政策、
この二つの推移を、世界中が注目していると思います。
私も、
両国の動きを、向こう数十年の単位で見守りたいと思っています。
メルケル政権の政策に関する先日の推薦図書も、
一度は通読したのですが、考えさせられることが多く、
とても、この場で簡単な感想を書けるような状況ではありません。
今回の「再エネ家族」の記事も、簡単に意見は述べられません。
長期的視野で見てゆきたいと存じます。
投稿情報: jupiter142984 | 2012/03/14 06:35