アイルランドの有名なバンドU2の、有名な歌でWhere the streets have no nameがあります。
歌詞カードではどういった訳されているか分かりませんが、直訳で「道路に名前がついていない場所」になります。
はじめて日本に来た時、その歌は東京を歌っているんじゃないかと思っていました。
日本の道路は、明治通り、靖国通り、環七、東海道、表参道という大きな道路、または特徴のある哲学の道、偉人坂、蛇道以外は名前が付いていません。
ドイツはどんな小さな道も名前がついています。
「ゲーテ通り」、「ケネディー大通り」という偉人の名前もあれば、「ベルリン通り」、「広島通り」と隣町・姉妹都市の名前がついている道路もあります。
初恋が住んでいたのは「ルビー路」、ペンパルは「ビール波」でした。ドイツの、新興住宅では似たような名前ばかりつけることが多いです。
ルビー路の隣にアメシスト道路とダイヤモンド路地。
友達が住んでいる住宅はなんと、「マリー・キュリー通り」、「ロルフ・シーベルト通り」、「アントワン・アンリ・ベケレル通り」があります。お気づきになったかと思いますが、全て、放射能研究された学者たちが名付け親になっています。
ドイツの大きな道路名のTop 10は下記の通り:
1) Hauptstraße (英:main street、和: 中央通り)
2) Dorfstraße (英: village road、和:村通り)
3) Schulstraße (英: school street、和:学校通り)
4) Bahnhofstraße (英: station street、和:駅通り)
5) Gartenstraße (英:garden street、和:ガーデン通り)
6) Bergstraße (英: mountain road、和:山路)
7) Lindenstraße (英: lime street、和:菩提樹通り)
8) Birkenweg (英: birch street、和:白樺通り)
9) Waldstraße (英: forest road、和:森の路)
10) Kirchstraße (英:church street、和:教会通り)
と、街の中心も分かりやすいです。
新興住宅なら、ドイツの町は簡単に人の住んでいる場所が分かります。
「穀類の地区に住んでいるんだよ」、「哲学者の地区の隣の小さな道なんだ」だと説明すると、、「ああ、あそこなんだ。」と分かりやすい・・・ はずです。
実際、私は日本に来るまでは方向音痴でした。
もちろん家から学校、町の店、なれたところは分かりましたけど、知らない町では・・・ いや、1、2年に住んでいた大学の町でも方向が分からなくて、「お前どうやって漢字が覚えられて、居酒屋の場所が覚えられないの?」とよく友達と恋人にからかわれました。
しかし、日本に来ると、それは不思議な事に治りました。なぜなんだろうと不思議に思いましたけれども、この間気づきました。
それは「畝」という言葉です。
はじめてそれを辞書に引いた時にびっくりしました。
なんと、FurcheとFurcheの間にあるものは畝です。
ええ?
その間にあるものは、名前があるの?
逆に、Furcheを独和辞典でひきますと、「隙などで畑の上野間に作られた溝」です。
へえ、本当にFurcheという日本語がない!
いや、畝というドイツ語がない!
と、それは道路も同じであると気付きました。
日本ではご存知の通りに、何丁目の何番地の何番で住所を書きます。
つまり、ドイツでは家と家の間を見ているのに対して、日本では道路と道路の間を見ます。
そのことを悟った時に、自分の方向音痴が治ったかもしれません。
だって、ないもの(建物と建物の間の・・・コンクリート)で方位を確認するより、あるもの(道路と道路の間にある建物)で方位を確認した方が断然に楽です。
全治したわけではありません。
たまに迷う事があります。
それは、日本に来て間もない方に招待されて、そのご自宅行くことです。
「駅を出て、スタバのところで右。それから、マクドのところで左の大きな建物。一回にはセブンイレブンがあります。」
なんて言われて、都会だと、駅のあっちこっちにスタバもマクドがあって、コンビには浜の真砂のように無数である。
どっちに行けばいいんだろう。
まあ、どっちみっちも、日本に着たばかりの人の、いつもの同じつまらない話だろうと思って、Where the streets have no namesと鼻歌しながらくびすを返す。
私は方向音痴でよく迷ってましたが、スマートフォンを持ってから不思議に直りました。
あ、それはGPS機能が搭載してあるからか。
投稿情報: Ast | 2012/04/21 11:25
田舎者からさっそく誤りを指摘させていただきます。「うね」を示す図ですが、横方向ではなく正しくは縦方向です。例文として、「タマネギを植えるために高く盛られたうね」となります。うねは、根が腐らないようにするための農業技術ですから。
もう一つ決定的に違うことがあります。日本の街は京都のような計画都市は別にして、人が住み始めてから道ができるという順序です平らなところが少なく、物の行き来は主に船が使われていたからです。だから、EU諸国のようなローマ道の発想は全くなかったのです。
しかし、海には古くから名前が付いていますよ。探究心を燃やして調べてみてください。民俗学はわたしが道案内をいたしますから(^_^;)
投稿情報: asariya38 | 2012/04/25 09:51