英国のJournal of Applied Ecologyにて、陸上の風力発電所の鳥に長期的な影響についてとても興味深い調査が発表されました。(Greater impacts of wind farms on bird populations during construction than subsequent operation: results of a multi-site and multi-species analysis.)その結果、長期的な影響がない事が分かりました。
それと同時に、数種に建設時に影響が与えられている事も分かりました。
北イングランド及びスコットランドでの18箇所のウィンドファームが調査対象となりました。
調査の内容は、英国に一番多いとり、それから、野生絶滅の恐れがある鳥も含めて行われました。
鳥は風力発電所と共存して、うまくやっている。
「建設時に大きなインパクトがあることが分かり、適切な場所での建設は重大である。風車はいわゆる「バードブレンダー」(bird blender: ブレードが眩しい為、障害物となり、鳥はぶつかって死ぬ)である証拠はありません。まわるブレードは何のインパクトはありません。」とマーティン・ハーパー氏、英国鳥類保護協会の保護担当(conservation director)が言う。
調査にかかわった方は、英国鳥類保護協会、スコットランドナチュラルヘリテージ及び英国鳥トラストの三組織の合計四名でした。
野鳥がブレードとぶつかり、巨大物が視野入って、または騒音が原因で方向感がなくなるという、風力発電所批判者の疑惑は一掃されました。
適切な場所に建てられているという前提で、RSPB 及びWWFはウィンドファームを強く支持すると言っています。RSPBは2001-2010年の9年の間に英国に立てられた2100箇所のウィンドーファームの中8%だけ反対しました。
しかし鳥が建設に邪魔されるだけではなく、建設によって繁栄(Thrive)する鳥もいます: ヒバリとノビタキ。
タヒバリ、チドリ、サバタヒタキ、ハマシギ、タゲリには何の影響もみえなかったです。
マキバタヒバリが風力発電所建設された場所に繁栄(prosper)しています。
ヨーロッパムナグロの数は減っている証拠はありましたが、調査の著者は同時に「風力発電所の建設に結びつく事が出来るかどうか、さらなる調査が必要です。」と言っています。
一番重大とはダイシャクシギ、英国の最も大きな渉禽類鳥。建設が開始されて、営巣地を置き去りにしました。
風車の半径800m以内に羽数が40%も減り、さらに建設後にも前より低かったです。
シギの事項はウィンドファームの半径400m内に53%も減りました。
ヌマライチョウの数は一時的に減ったものの、建設が終わった後に戻りました。
「風車自体は鳥に影響を与えない事は驚きました。主な影響は建設時ですね。悪影響を最小限に持っていく方法を調べないといけません。」と著者がコメント。「立地調査をする際に環境影響分析も慎重に行わないといけません。」
日本では、中小の企業が参入して、発電の利権が奪われる風力発電が普及しないように、「苦情や反対運動がおこるところにわざと建てられているものが多いです。」野鳥への影響も東北や北海道の一部を除いては、詳しく調査がさていません。
一番影響が少なくて儲かる海上設置も、わざと建設できにくい仕組みが作られています。風車が起こす低周波振動も、海上設置だと漁礁の役目を果たします。10ヘルツ前後の周波数の音が魚を集めることが判っています。
大型のものを海辺の造船所で作って船で運べる海上設置、これから増えてくると思いますよ。
投稿情報: asariya38 | 2012/04/25 10:01