よく考えたら、私が今まで生きていた何十年には想定外の事はたくさん起こりました。1989年ベルリンの壁崩壊、1991年ソ連崩壊、1995年日本の国内テロ地下鉄サリン事件、2001年同時多発テロ事件、2002年ユーロの誕生、2009年初黒人アメリカ大統領、2010年ユーロ危機、2011年福島第一原子力発電所事故、・・・ あれを予言した占い師がいたら、誰も信じなかったでしょう。つまり何が起こってもおかしくありません。
今日からは震災から二年が経って、皆様は多分まったく考えた事もないテーマについて書こうと思います。もちろんエネルギー問題等々より重要なテーマはありますが、殆どのこのブログの記事はエネルギー関連ですから、今日こそは防災について書こうと思います。
日本という国は不定期的に、台風に吹かれ、地震に揺られ、津波に流れてきました。台風はある程度予測は出来ても、地震→津波は出来ません。それから、ご存知の通り、ドイツと同様に地震が本当に少ない国はたくさんあります。特に私の実家のあるNRW州にはほとんどありません。15歳のときに朝の3時20分に地震があって、ちょっと目覚めて、なんだかわからなくて、また寝たという覚えがあります。震源地はオランダであって、6.9のマグニチュードではあったものの、建物の被害以外は幸いありませんでした。
私と同様に多くの国の人は地震を母国で経験していない在日外国はたくさんいます。日本に来ては、「地震はどんなものなのか?」とわくわくして、留学生三人で防災センターに出かけました。その中には地震はよーくわかっているカリフォルニア出身の留学生もいましたけど、私ともう一人は中央ヨーロッパで自身はほとんど地震は何なのか分からなかった留学生がいました。地震シミュレータに遊園地乗り物気分で乗って揺られて、フォームプラスチックの家具に降られて怖くはありませんでした。
そして、翌日は、大学の先生に「週末はどこ行ったんですか。」と聞かれて、「防災センター!楽しかったです。」と答えたら、ものすごく怒られたことは今でも印象に残っています。
「人が死ぬんだから、楽しいわけではない!」
それはそうですけど、それすら実感はなかっただろう。
確かに地震はよく知った方が良いです。しかし、私みたいにふらりと防災センターに出かける外国人は少ないでしょうから、都道府県、市町村はそれぞれ防災に関する情報を出しています。(多分出かけても、案内は日本語ですから、あまりわからないでしょうね。)
もちろん心をこめて書かれた文章ではあるかと思いますが、私みたいに日本文化や日本語が分からない人には少し分かりにくいところは多々あります。この分かりにくいところはこれから少しずつ紹介しようと思います。
海外旅行の出発前に「病気なったらどうしよう?」と思ったことはありますか。お腹が痛いときぐらいは手振りでどうにか表現できますけど、ズキズキする痛みなのか、今朝から、それとも一週間前なのか、夜がひどいとか、食べてからは痛みがないとか、そういうことを表現できないと、盲腸炎なのか、食中りなのか、妊娠なのか、さあ、先生の診断も難しいでしょうね。言葉はそういうもんですね。通じるととてもうれしくてウキウキするけど、通じないと怖いですよ。
一つ笑える例をあげましょう。この間、朝日ウィークリーでも書きましたけれども、友達が役場で資料を持ってきて、「日本人はやはり鮨文化ですね。魚は大好きですね。」と見せてくれましたた。どんなことなのかとみてみたら、防
災情報資料にはナマズが乗っていました。神奈川県のこの表示もナマズですね。もちろん、ナマズは昔、地震を起こすと信じられたのは日本人なら、誰でも知っていますけど、外国人には自然にわかるわけにはありません。(特に何の説明が書かれていなければ・・・)
それから、、左のイラストが資料に入っています。(滋賀県国際交流協会: 『
外国人向け地震対策シリーズ(完成版)』 →特にこの絵を選んだ理由がありません。多くの資料に似たものが入っています。同じことを問題視しています。)
これ、日本語できない海外の友達に聞いたところ、みてわかったものはヘルメット、リュック、お金、懐中電灯、メガネ、靴、手袋だけです。ウェットティッシュは「糸の入った箱」と言われて、ポリ袋は(笑わないでください)「あれなんというの、血液を保存する袋・・・何か輸血しないといけない時に…そうしか見えないけど、持っていく訳ないよね。凝固しっちゃいますよね。地ではなく、何か点滴用?避難して点滴を…いや、それもないだろう。」と・・・思った人までいました。
(それとは別として、「besides, all that stuff wouldn't fit in such a tiny backpack!」(こんな物はすべてこんなちっちゃなリュックに詰め切れないよ!という賢明なコメントも頂きました。)
免許書、健康保険、銀行通帳と薬手帳のコピーを添付すると言っても、外国人の場合でとても大事なのは、外国人登録証明書(または最近なら在留カード)、それからパスポートのコピーです。
もっとも大事なことを指摘してくれたのは京都に何年間住んでいた先輩です。「私はずっと京都で一人ぐらいしてホームシックもなったりしましたけど、特に熱が出た時、彼ともめた時・・・つまり不安を感じた時。なので、大きな自然災害にいて、家族は遠いヨーロッパにいて、すぐに会えない、向こう心配しているでしょうと・・・それを今想像するだけで、涙が出ます。私なら、絶対に非常時持ち出し袋には愛する家族の写真も入れます。遠くにいても、自分のことを考えてくれる、大丈夫、どうにかなります。再開するために頑張らないといけない・・・そのために写真を絶対に入れるべきです。
なるほど、私が見た資料では、写真はたぶん全く触れませんでした。彼女のメールを受けて、私は家族の写真を非常時持ち出し袋に入れました。一人暮らしの読者の皆様にも是非おすすめ♪
日本語を勉強するときには、一年生の教科書ではなく、「外国語としての日本語」の教科書を使っていると同様、防災情報は、日本人用の絵をそのママ使ってもあまり意味がないと思います。
次は、専門用語について書こうと思いますが、少し待っててくださいね。