小さな村がドイツ初のパシブハウス幼稚園を建てました。パシブハウスとはエネルギーを自分で生産して、消費した分と相殺すると、ゼロになると言う建物です。それが、ゲムリッヒハイムという3887人の村民しかない村で実現されました。
ドイツの自治体は日本の同じ状態で、けして裕福ではありません。しかし、この村は『子供に投資する事は将来に投資する』と決め、新しい幼稚園、しかも最先端の技術を使った幼稚園を立つ事にしました。
その技術はとても幼稚園と思えません。換気装置では常時に外気が取り入れられているため、隙間風がなくて、全ての部屋に常に新鮮な空気が流れています。花粉症やハウスダストアレルギーの子供も気楽に過ごせるため、当然フィルターがかかっています。
そして、支壁以外は全ての建築材は木材です。(とてもそうは見えないでしょう!) 木材は断熱が優れている上、再生可能資源でもあります。どの部屋の気温も同じであって、地下室でだって、床は暖かいです。
旧幼稚園がたった一ヶ月に使ったエネルギーはこの新築の幼稚園はなんと一年で消費します。つまり、エネルギーは9割も節約できるようになりました。予算は厳しい自治体には嬉しい知らせです。これからは石油、石炭、天然ガスの値段が上昇すると思われるので、更に節約になるでしょう。
当然新築は安くではありませんでした。実際の建設費は114万1千ユーロ(当時の為替レートは今とほとんど変わりません。1億4800万円)であって、従来の新築より10%だけ高かったそうで、その10%は割りと早く償却した。
旱魃には室温に高気温でも何の問題がないことが分かりました。日中にはブラインドが下ろされて、中は寒くなります。夜には誰もいないときに新鮮な外気が部屋に入れられ、猛暑でも過ごしやすいです。せっかく暖かくなっていた空気が外に漏れないように、様々な断熱技術及び素材が使用されています。窓も三層になっていますので、さらに断熱がよくなっています。
それから、ドイツですから、当然屋根に太陽光発電パネルが設置されていて、その電力は電力網に取り入れられて、固定価格買取制度を通して、少しお金も入ってきます。
この話はフクシマ以降だと思っているかもしれませんが、違います。建設は2000年2月に村議会で初めて計画され、既に2003年3月14日には竣工式典が行われました。
つまり、2003年に入園した子供たちは今ではもう中学生になっています。再生可能エネルギーはごく普通、そちらへんになる、安いエネルギーだと知っている中学生。