24日には国際エネルギー機関(IEA)はEnergy Policies of
IEA Countries – Germany 2013
Reviewを出し、その中に、なんとドイツの長期に渡る低炭素エネルギーシステムへの取り組みをほめた。特に、包括的なエネルギー戦略、再生可能エネルギーに関する野心的なターゲット及びエネルギー消費削減対策がほめられた。エネル
ギー効率性及び気候変動に対する強固な政策がうまく実行に移された事は報告書に書いてある。そして、もちろん批判的な点もありますけど、自分頷いたのは、エネルギー転換の費用は一般家庭だけではなく、一般家庭と産業は
両方持つべきという批判。
当然、ドイツ経済の大きさを考慮して、サステイナビリティー、価格設定、競争力などとこれからも様々な政策は導入しないといけない事も指摘している。ただ、個人的には驚いたのが、この褒め言葉。
報
告書は5年おきに行われますけど、2007年は最後でした。つまりフクシマの前に出されました。2007年当時の報告書には不利な結果をもたらすため、
「原子力廃止という決定の見直しを強く推奨します」(…we strongly encourage the government to
reconsider the decision to phase out nuclear
power.)と記述された一方、2013年の報告書には「手頃のエネルギー費用及び経済繁栄の高い水準を維持しながら、ドイツは世界で最もエネルギー効率性が高く、環境にやさしい経済になるでしょう。」(...on the path towards becoming
one of the world’s most energy efficient and environment friendly
economies, while at the same time seeking to maintain affordable energy
prices and a high level of economic
prosperity.)と記載され、ドイツ社会の脱原発に対するコンセンサスをほめています。
事務局長のホーヴェン氏によると「ドイツ
政府は予測可能且つ安定している規制の枠組みに基づき費用削減の対策を追い求めながら、この政策の方向性を維すべき。急な変化は投資家の信頼を徐々になく
していき、長期的に費用を高騰させるでしょう。遡って行われる助成金のカット(それが短期だけであっても)は避けるべき。費用はより公平に分配されている
事を保証する気候の開発は不要です。過去にうまくいたったとしても、将来の計画には向いていないかもしれない。」(Furthermore, there
is a need to develop a mechanism to ensure that costs can be distributed
more equitably. What has worked in the past may not be a blueprint for
the future.)
それを聞くドイツの専門家は驚く。「ドイツ経済研究所」Deutschen Institut für Wirtschaftsforschung のエネルギー担当件フェルト氏(Claudia Kemfert):「IEAみたいな機関はこういう結論をするのは画期的。」
緑の党も満足のご様子:「IEAみたいなカチカチ保守系機関までそういう結論をするのは、すごい。ようやく、時代遅れのIECも少しわかるようになったみたい。」とZeit新聞でコメント
2007年は「原子力廃止という決定の見直しを強く推奨」しましたのに対して、2013年の主な推奨事項は下記の通り
※ 費用効果の高い市場ベースのアプローチを用いて増分の再生可能エネルギー量を管理する適切な気候の開発は必要がある。そのアプローチによって、再エネは市場ニーズにより近い場所で生産され、適している場所での投資が行われ、送電線拡大が補われるでしょう。
※ エネルギー転換の費用は一般家庭、中小企業、再生可能エネルギー生産者、大手口電力消費者等を含め、全ての顧客に平等に負担され、最低限に抑えられる対策を
保障する。それから、技術の急速な進展のあらゆるベネフィットを得ながらも得た追加再生可能エネルギー量の展開に与えられる賦課金の成長は制限すべき。
※ 送電網及び配電網へのタイムリー及びコスト効率の高い投資、それから、分配にて必要となる投資を結集する充分な報奨金及び投資保証を提供する規制
※ 新
しいフレキシブルなガス火力発電及びコスト効率の高い蓄電システムへの実行可能な投資を経済的に可能にする電気市場の現状が可能である進歩の評価が関連利
害関係者との協力で行われる。その評価の一部は原子力撤退した後の電力両市場システムの調整を支援する過渡的な現対策の適性検査である。
どうなるか楽しみですね。
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